冷凍庫にハーゲンダッツを入れておくみたいに
もう今日はダメだな。そうやって、自分を諦める夜がたまにある。
諦めたら、潔く夜の街に遊びに行くことにしている。
焼肉か、鶏焼きが多い。
誰も誘わず、誰にも行き先を告げずに、ひとりで肉を食べる。
たらふく食べて満足したら、ハシゴはせず真っすぐ家に帰る。
家に帰ったら、シャワーをして、部屋を真っ暗にして、映画を観る。
「ミッドナイトインパリ」「シラノ」「ラ・ラ・ランド」「アメリ」「インセプション」どれかを観る。
観終わったら、深夜2時くらいまで本を読む。
「プリズンホテル」「ノルウェイの森」「すべてがFになる」「常設展示室」どれかを読む。
何も考えずに寝る。
そんなふうに好きに過ごしたって、たいてい次の日は頑張れない。
次の日がんばれなくても、それでもいい日だと思えるように、元気とは違うなにか別のモノを頭にためておく。そのために映画を観て本を読む。
冷凍庫にハーゲンダッツを入れておくみたいに、頭の中に大好きな物語を入れておく。